探究―三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ
[目次]
[HP再アップにあたって]
【HP再開設にあたって】(2011年2月1日記)
【HP開設にあたって】(2005年7月31日記 2011年2月1日改訂)
Ⅰ 社会科学と人間科学の方法的差異 −『国家論大綱』と三浦言語学−
Ⅱ <本質=関係>把握としての弁証法 ー社会科学の関係概念ー
Ⅲ 初期滝村国家論と『国家論大綱』 −「政治」規定の変化に即しての考察−
Ⅴ 社会科学の学びと批判精神 −日本的伝統としての学的派閥と党派的信心−1
[HP再アップにあたって]
2011年三月十一日の大震災大津波から三年九ヶ月。実家の被災と父の死、避難してきた母と妹を迎えての非常事生活の中 で、HP継続の物理的時間も精神的余裕もないまま今日まで過ごしてきまし た。
しかしせわしない年の暮れに『国家論大綱 第二巻』出版という思いがけない朗報を耳にし、本日とうとう現物を入手。目次を何度も眺めるうちに、ともすれば弱々しく萎えてしまう己 を鼓舞する意味をも籠めて、とりあえず、数年前にネット世界から消滅してい た主要論文五本の再アップだけはしておこうと、思い至りました。
2014年12月23日 kigu2@aol.jp
【HP再開設のご挨拶】
身に迫る生活上の断崖絶壁的危機と深刻な家族の難事に追い回され、この二年間HPの更新どころか画面にアクセスすることすら出来ずに過ごしてきました。
それでも、三浦つとむ生誕百年にあたる2011年の幕があがり、七転八倒の苦しみだった仕事の方もようやく一段落、ほんとうに久方ぶりにHPにアクセスしようとし顔面蒼白となりました。 なんと『探究 三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ』がネット世界から完全消滅。昨年暮れのポータルサイトの無料HPサービス休止にまったく気づかずにいたのでした。
文章を保存していたメモリもとうの昔に紛失、しかし幸いなことに、「弁証法メーリングリスト」以来メールで意見交換を重ねてきた三浦言語学系研究者の方 がたまたまHPの主要な文章を保存なさっており、今回ご厚意により提供して戴きました。もう感謝感激、ほんとうにありがとう御座います。
さて、『探究 三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ』の復元作業に着手したはいいけれど、わたしの置かれた断崖絶壁的な生活環境は相変わらずで、すぐに次の仕事の仕込みをしなければならず、なにか新しい文章を付加する時間的精神的余裕はありません。
今回は、とりあえずHP再開設を読者の方々にお知らせし、テキストにも若干の改訂を施し、時間と相談しながら順次アップしていくつもりです。また、HP 『探究 三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ』とブログ『探究』の二本立てに編成替えしようかとも考えています。 『探究 三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ』の方は、三浦言語学や滝村国家論に関わる内容の文章、『探究』のほうは、社会・政治・経済・歴史・文化・思想哲学などの様々な諸問題に関わる随想的な文章を掲載するというかたちです。
2011年 2月 1日
菊池豊彦
kigu2@aol.jp
【HP開設にあたって】
このHP「探求―三浦つとむ・滝村隆一に学ぶ―」に公開・記録される文章は、ヘーゲル・マルクス・三浦つとむ・滝村隆一などの理論的業績に依拠したものです。
ここであらかじめ、自分の論述がどのような立場で為されたものか、明確にしておきたいと思います。 私は、三浦つとむや滝村隆一の<理論・科学>的成果を、<思想>的また<イデオロギー>的に役立てたいと考える者です(<思想>的には、とくに吉本隆明・鮎川信夫・福田恆存などから、大きな影響を受けてきました)。
したがいまして、私の論述は、三浦言語学や滝村国家論の<本格的な学的・理論的継承=発展>を目指すというものではありません。ヘーゲリアン・マルクシ ズムの学統が三浦理論や滝村国家論にどう継承されているのか?……、精しく正しく<解読>するというものです。
そもそも学問理論の学びは、個別科学者が自己の個別専門分野で先人大家の理論を生かし、さらに<継承=発展>させる途こそが本筋といえるものです。 しかし、先人大家の理論学説がどういうものなのか、その著述に即し<知識レベル>で正確に解読する作業も、それなりに意義あるものです。そういう解読作 業は、自らは高度な芸術作品を生み出すわけではないが、その作品の高い水準を理解し味わう、<見巧者>的学びというべきものでしょう。
社会科学的な業績を、思想的基礎に据えて主体的実践的に生かす場合、この<知識レベル>の学びの途を歩むことになります。 私の叙述は、これから三浦・滝村を学ぶ人にとって、あるいは、もっと広く社会科学や弁証法に興味関心を抱く人にとってそれなりに有益なものだと思いま す。ヘーゲル・マルクスの<本質=関係>概念を踏まえて学的弁証法を学ぶ際のガイドとして有効であり、また、単なる<知識レベル>にとどまらず、これまで の研究者の為しえていないオリジナルな<理論的>諸見地を提出していると自負してもいます。 私は、自説に頑固に固執して他者の批判を受け付けないというような、偏狭な人間にならないよう常に心がけています。お読みいただき、建設的批判を頂戴できるようなら嬉しいです。フリーメールで忌憚のないご批判をお寄せください。
2005年7月31日(2011年 2月 1日に文面を一部改訂)
佐佐木晃彦
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